【営業の型を把握できれば必ずできる】方針の9割を決める方法

営業知識・マインド
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農耕型と狩猟型

会議をする社員

営業をしていくにあたり、あなたの会社はどのような方針で営業活動をしているでしょうか?
営業スタイルには、大別して、農耕型営業狩猟型営業の2パターンがあり、自社がどちらに当てはまるのかがわかれば方針の9割は決まると思っています。
それぞれの特徴は


農耕型営業 : 官公庁や大手企業を主要顧客としていることが多い。
顧客の予算取りから支援し、継続した付き合いの中で、自社が存続できるだけの売上が見込めるスタイル。
予算をつける支援をしているので、次の予算執行時期も規模も把握できており、長期予測を立てやすい。
半面、客先が絞られているため、その顧客が予算を絞り出すと自社も厳しくなる。        
仕様書まで作り込むことに関与できれば比較的利益率高く受注できるが、継続客なだけにコストダウンを継続的に求められると低利が続くリスクもある。

Point= 顧客担当との強いパイプづくりと、予算づくりのスキームへの関与。
大型案件や、長期の改修・改装案件、計画づくりなど。
PMとして関わることがベスト。


狩猟型営業 : 地方市場や中小企業を顧客としていることが多い。
面で営業を行い、予算のついている所を多数見つけて営業を行い、刈り取っていくスタイル。
予算の在りかが見えれば、早期に売り上げはあがる。
半面、予算把握のためには多くの行動が求められ、競争となることが多いため利幅も少ない。
長期の売上予測が立ちづらく、人海戦術になりがち。継続顧客も生まれづらい。

Point= 情報を掴むツールや人脈の確保。多くの顧客に面談する行動と、価格競争力の強化。
小口案件の積み上げになりがち。
県庁や県庁所在市、国の機関など、仕様書の公平性を求める所が狙い目だが、規模が大きくなると指名入札となり参加もままならない。
予算書の見方や、入札情報の閲覧サイトを活用できることで効率化ができるが、農耕型にたどり着くまでの繋ぎと考えるべき。


実際に色んな会社を見ていくと、完全にどちらかに振れている企業は少なく、ある部門は農耕型、でもこの部門は狩猟型。
もしくは、同じ会社でもこの拠点は農耕型、でもこちらの拠点は狩猟型。
という状況が多くみられる。

そういった意味では、スタイルを意識して対応手を組み上げていくことで分かりやすい方針を打ち出せる。

最終的には上記スタイルを理解した上で、ハイブリッド型に進化していくことが最善だが、それぞれのスタイルをしっかり活用できることが業績拡大の前提と考えます。

私の勤める会社の実情

商品のプレゼンテーション


私の今勤めている会社も、東京は農耕型、地方は狩猟型に近い状況でした。
近いと書いたのは、それぞれの特徴やリスクを把握しておらず、結果的に中途半端な農耕型や狩猟型となっているだけで、売上未達が継続していたからです。
農耕型だけれど、予算取りに関与していない。
狩猟型だけど、行動力が弱い。これが実情でした。

昨年(2020年)10月より、今の会社で営業本部長になりましたので、今年(2021年)4月から始まる新しい販売期間においては、それぞれに以下の指示を入れています。

東京 
・予算をどのようにつけているのかを把握してほしい。  
 →今後予算取りに関与するため。予算担当者との情報ヒアリング。

・現在の担当の前任地を紹介してもらってほしい。
  →今の客数では不況時にリスクが高いので関係性の強い顧客と付合い、分母を増やす。

・過去の販売履歴から、年間の販売数字を月別に予測し、検証していってほしい。 
→場なりで売りあがるのではなく、計画的に仮説にのっとった数字追及をしていく。


地方
・過去顧客や、新聞情報を元に、月に20件新しい企業面談を実行してほしい。 
 →行動件数を増加させる。訪問習慣を構築する。

・自治体の予算書を閲覧してきてほしい。  
 →予算のあり、なしを把握し、自治体予算書になれる。

・エリア内の主要民間企業の発注権限額を調査してほしい。 
 →発注権限内提案をすることで競争を回避し、受注のスピードをあげる。予算意識の向上。

特に、東京においては、新型コロナウィルスによる働き方の変容により、なんとなく出てくる商談を吸収して売上を上げていた東京拠点は大きな打撃を受けました。
予算が安定している官公庁や大手企業を相手にしているのですが、自分たちで予算取りに関与していないため、その客が100のうちいくつを自社に発注してくれているのかを把握できていませんでした。
つまり、景気や担当者の良し悪しで売上が左右される受け身での営業スタイルになっていたのです。
それが、今回の景気減退により、如実に問題として表れてきたという現状です。

地方においては、細かな商談も拾いに方々動き回ってはいましたが、新型コロナで訪問が制限され、予算の在りかも、「たぶんお金ありそうだな」、というレベルで行動工数を使っていた状況でした。
結局、空振りが多く、見つけた商談も、価格競争で敗れるなど、こちらも低迷していました。

自社分析の重要性

分析ツールのイメージ


私がこの会社に来て、半年間、過去の売上推移や、取り扱い品目、顧客・下請リストをすべてあらいました。
見えてきたのは、東京と地方で売上ているジャンルも、売りあがるタイミングも全然違うということ、また付き合う顧客が減り、販売が立っている顧客単価も下がっていることでした。
それを元に、上記の拠点毎のスタイルと、その理想とするスタイルに対する不足事項の洗い出しを行うことができました。


経営側としては、営業目標を設定し、「目標を達成するように!」という軍隊方式では、思考が伴わない行動の繰り返しになります。
それを、より具体的行動に落とし込むことや、社員に現状を理解してもらうためにも自社分析を十分に行い、世の中にある類型分類に当てはめた説明を行うことで納得して行動につなげてもらうことが肝要です。
また、指示は極力、簡単に、分解して注力するものを全員に同様に伝えることが必要です。
ややもすると、農耕型営業なのに、
種の蒔かれていない畑で、ずっと実がなるのを待っている。 
とか、
狩猟に走り回らないといけないのに、方向付けが曖昧で走ることができないハンターがなんとなく銃を構えて1日を終える。
なんてことが起きてしまいます。そうならないように、営業のベクトルを合わせて、簡略化された目標に向かって、前に進ませる努力をしていきたいですね。


改めて、自社分析をしっかりした上でやることは、

農耕型営業なら 顧客担当との強いパイプづくりと、予算づくりのスキーム関与。
狩猟型営業なら 多くの顧客に面談する行動と、価格競争力の強化。


これらにフォーカスしてPDCAサイクルを回していきましょう!

同時に、社員のモチベーションをいかに管理していくのか?
営業にとってはこれが何よりも大事です。
しっかり承認し、一緒にやって見せ、一緒に喜べる組織にしていくことです。
そのためには、しっかりとした業績評価で出し惜しみをせずに実績に対しては金銭で返すことも忘れないでください。
社員が無気力化して、退職することが続けば、採用コスト・教育コストは大きな負荷になります。
正当に評価して、人を育成していくために、明確な方針を作る!
そのための分析と方針付です!
頑張りましょう!

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